top of page

Scientific Reports

7/1/2020

精巣組織移植の論文です。精子幹細胞移植の時は、レシピエント(患者さん)の精巣内の生殖細胞がない方が、精子幹細胞の生着が良いこと、正しくは生殖細胞が除去されていないとなかなか生着しないことが知られていました。しかし我々は、同所精巣組織移植(精巣組織を精巣に移植する)の場合、レシピエントの生殖細胞除去がマイナスに働き、移植精巣での精子形成が上手く行きにくいことを発見しました。この原因を調べたところ、移植精巣における『レチノイン酸(ビタミンAの誘導体で、精子形成に必須)』の活性が低下していることを発見しました。これに基づき、レチノイン酸を補うことで精子形成能力を回復させることにも成功しました。​

Reprod. Med. Biol.

6/24/2018

2報目のReviewです。前回のReviewは2018年の4月でしたが、実は投稿は2016年の9月でした。それ以降にアップデートされた精子幹細胞や試験管内精子形成に関する知見や、ES/iPSからの精子幹細胞様細胞の誘導などpluripotent stem cell からの生殖細胞誘導技術の発展、試験管内生殖細胞操作における種間障壁などについて記載しています。

Journal of reproduction and development

3/13/2018

Stem Cell Reports_02の続編、と言いますか、元は一つだった論文の片割れです。こちらはほぼ酒井さんの卒論です。が、peer reviewを受けてるうちにどんどん話が長くなり。。。もともと2015年の学会のポスター賞の内容だったのですが、もう三年経っていたので状況が変わり、新しい情報などで解釈にも変更が出たりなど、焦りながら書いていました。いうてもデータや図などはもともと上がっていたので、2ヶ月くらいでなんとか受理してもらえました。

Stem Cell Research

3/15/2018

培養精子幹細胞に関する総説です。最初はGS細胞関連の様々な研究を網羅する内容で書いていたのですが、どうやら同じ分野の方も同じ雑誌に同じ時期に執筆依頼が来ていたようなので、軌道修正、京都大篠原研で行われていた(いる)GS細胞研究中心の内容にしました。自分の仕事も小さくはありますが貢献しています。

Stem Cell Reports_02

4/20/2018

 記念すべき高島研完全オリジナル論文第一報は、2015年のFGF2論文の続編です。今回は徳島大酵素研、京都大ウイルス・再生研、長野県畜産試験場、信州大医学部産婦人科学教室・泌尿器科学教室、長野日赤病院泌尿器科、そしてお隣の保地研との共同研究です。

(日本語の解説はこちら『http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles/news/docs/takashimaPR.pdf』)

 2015年の研究では『FGF2は精子幹細胞の自己複製を促進する』ことを示していましたが、『FGF2は精巣内でどのような機能を持つか』については答えを出していませんでした。

 今回の論文では、精巣内の未分化型精原細胞(精子幹細胞が含まれる細胞集団)を直接FGF2で刺激し、その動態を解析しました。最初に発見された自己複製因子GDNFで刺激すると、未分化型精原細胞は過剰増殖ののち立体的なドーム状のコロニーを形成します。一方FGF2も過剰増殖するものの、平面展開する二次元コロニーを形成します。細胞生物学の世界では、『形態は機能を表す』といいます。もしかすると性質もちゃうんちゃう?と思い調べてみると、FGF2で増殖した細胞集団におけるRARGという分子を発現する細胞の出現頻度が、GDNFを用いた時に比較し2倍高いことがわかりました。実はRARGというのは、未分化型精原細胞がレチノイン酸(ビタミンA)の刺激を受けて精子形成を開始する際に必須のタンパク質なのです。つまりFGF2には、未分化型精原細胞のうち、分化することができる状態にある細胞を誘導する働きがある、ということがわかったのです。

 また一方、FGF2は精巣内の体細胞に作用し、レチノイン酸の分解を抑えその働きを助けることを示唆する結果も得られました。

 この2つの結果から、FGF2は、未分化型精原細胞から精子を作り出すにあたり重要な役割を果たすレチノイン酸が作用しやすくするなるよう状況を整える機能があると考えられます。

 2015年にはFGF2の精子幹細胞自己複製促進作用を報告しました。今回はFGF2の精子形成(分化)への加担を示しています。幹細胞生物学の世界では、自己複製と分化は逆方向の動態として考えられる場合が多いのですが、FGF2は精巣内では例外的にどっちもやっていそうだ、という面白い結果が得られました。

 マサキくん、酒井さん、ご苦労様でした。高島研完全オリジナル論文第一弾としては上上の出来でした。何しろ自分的には描いてて結構オモロかったので、大変満足です。よく頑張ってくれました。ありがとう!

 そしてご助力くださった共同研究者の皆様にこの場を借りた感謝申し上げます。

Stem Cell Reports_01

March, 2015

精子幹細胞は自己複製と分化を繰り返し、個体の生涯にわたり精子を作り続けます。これまではグリア細胞株由来神経栄養因子(Glial cell line-derived neurotrophic factor; GDNF)が精子幹細胞の生存・増殖に必要不可欠なものであると考えられていました。今回の研究により、精子幹細胞の中にはGDNFに依存せず自己複製分裂を起こす新しいタイプの幹細胞が存在することが明らかになりました。この新規の幹細胞は繊維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor)2により試験管内で自己複製分裂を誘導することが可能であり、GDNFとは異なる分子メカニズムで自己複製分裂を引き起こしていることも明らかにしました。この研究成果は男性不妊の原因の理解やその治療法の開発に役立つとともに、遺伝病の発症機序の理解にも貢献すると期待されます。

Reproduction

March, 2015

保地研の八代さんの論文です。凍結ウシ卵子の回復培養時にαートコフェロールの添加が有効であることを示した論文です.

Genes and Development

August, 2013

GS細胞は潜在的に分化多能性を有していますが、普段はその能力を発揮することはほとんどありません。この論文では2つの遺伝子Dmrt1Trp53がGS細胞の分化多能性を抑制していること、これらの遺伝子の働きを抑制すると秘められた分化多能性が発揮され、GS細胞がmGS細胞になることを示しました。

Cell Stem Cell_04

2012

精子幹細胞と精子幹細胞ニッシェの相互作用を再現した論文です。精子幹細胞は精細管の最外側にある幹細胞ニッシェで生存・増殖を行います。このニッシェは基底膜とセルトリ細胞で構成されていますが、これまではこのような共培養の系では精子幹細胞の長期維持は不可能でした。この報告ではW/Wvという不妊マウスの精巣よりセルトリ細胞を調製し、基底膜成分であるラミニンをコートしたディッシュ上でGS細胞と共培養すると、GS細胞が敷石上のコロニーを形成し長期間維持されることを示しました。

Cel Stem Cell_03

2011

精子幹細胞の精巣への生着過程においては血液精巣関門の通過が最も効率が悪く、この過程をへて生着し精子形成を始めるのは移植された精子幹細胞の10%にすぎません。

今回の研究では、細胞骨格の編成を介し細胞遊走を制御する低分子量Gタンパク質に着目し機能解析を行い、精子幹細胞の血液精巣関門の通過において低分子量Gタンパク質の一つであるRac1が必要であることを明らかにしました。そして更に、精子幹細胞の血液精巣関門通過機序について解析を進め、Rac1の作用により精子幹細胞が血液精巣関門を構成する密着結合分子Claudin3を発現するようになり、このことで密着結合帯を通過していることを明らかにしました。

今回の研究では、精子幹細胞のホーミング現象の中でも重要なステップである血液精巣関門通過がどのような分子機序で進行するかの分子メカニズムを明らかにしました。造血幹細胞のホーミングでもRac1が重要な働きをすることが知られていることから、我々の研究結果は幹細胞がニッシェにホーミングする際には共通の分子機構が存在する可能性を示唆しています。また、ホーミング効率の改善は移植幹細胞からの精子形成の増加につながりますので、今回の研究成果は将来的には不妊治療や貴重な動物種の保存技術等の技術開発に役立つと考えられます。

PNAS USA

2010

精子幹細胞におけるCDK inhibitor分子p21とp27の役割を示した論文です。

Cell Stem Cell_02

2009

精子幹細胞の自己複製の分子メカニズムを明らかにした論文です。精子幹細胞は増殖因子GDNFの刺激により生存と増殖が保証されます。この論文ではGDNFが受容体であるRETのリン酸化を介しどのような分子メカニズムで生存・増殖を誘導するかを明らかにしています。加えてこのシグナルが過剰に入り続けると、germ cell tumorを引き起こすことも示しました。

Cell Stem Cell_01

2008

精子幹細胞が幹細胞ニッシェに生着(ホーミング)するためには細胞外マトリクスを認識し結合する細胞表面分子ITGB1が必要であることを示した論文です。ホーミングという現象は造血幹細胞での報告しかありませんでしたが、この報告はそれに続く第二の幹細胞ホーミング現象を観測し、メカニズムの一端を明らかにした論文です。この論文はCell Stem Cell 誌のPreviewセクションでも取り上げられました。

Please reload

bottom of page